2025.08.28 こばなし 個展「いつもの ぎしき」参考文献
6月末に終了をした個展「いつもの ぎしき」ですが、本展のテーマ「儀式」を考え「架空の儀式」を描くにあたり、読んだ本を少しご紹介したいと思います。
ここでは作品に直接関係した(かもな)、民俗学、文化人類学、+αを含めた12冊をご紹介します。他に直接関係はしていないものの、民藝関連の本をいくつか読みました。(記録忘れもあり…)

【民俗学関連】
1.『雪國の民俗』
柳田國男・三木茂共著 養徳社 / 1944年
映画プロデューサー・撮影監督の三木茂氏が雪国(秋田県)の農村を撮影した写真と、柳田国男氏の文章による民俗誌。昭和初期の農民の方々、衣食住にまつわるの自然な暮らしの様子が写真で収められています。モノクロ写真だけれど、活き活きと写されている人々の様子から色や空気を感じられれます。「いつもの ぎしき」では、人々の暮らしかたやその場所での「在り方」のような空気感を参考にさせていただきました。
2.『農村の年中行事』
武田久吉 著 有峰書店 / 1973年
「尾瀬の父」と呼ばれる植物学者の武田久吉氏による、日本の農村(長野県付近が中心)の一年の中で行われる行事をまとめた民俗誌。もともと植物学者だった武田氏が、柳田國男氏の民俗学に強く影響を受民俗学にのめり込んでいった(?)という流れが個人的にとても好きです。「年中行事」と言いつつ、本の半分以上が1/1〜1/15の期間の行事なのも面白い。「いつもの ぎしき」ではこの本の中に記されている行事を、いくつか架空のぎしきのモチーフにしています。

3.『遠野物語』
柳田 国男 著 新潮文庫 / 1910年(初版)
岩手県遠野周辺の民間伝承などを柳田國男氏がまとめた説話集。山・川・海や朝・夕・夜、光・風から動植物や人まで、あらゆる自然物や現象の不思議事を、当時の方々がこんなにも想像力豊かにイメージし面白がり、時には怖がり気をつけながら暮らしていた様子が、いろんな事象が科学や技術で明らかになりわかってしまう(わかった気になってしまう)現代を生きる自分には非常に興味深く、忘れがちな視点を思い出させてくれる一冊でした。
4.『民俗と民藝』
前田 英樹 著 講談社 / 2013年
「民俗学」と「民藝」、それぞれ近いようで意外と接点がない(?)双方についてそれぞれの歴史的な流れが紹介され、根本の思想とそれぞれの重なる部分などについて解説されていました。民俗学の父・柳田國男氏と民藝の父・柳宗悦の意外な対面シーンでの出来事とその後の流れは、人間味があって面白かったです 笑。「暮らし」と「信仰(必ずしも宗教的なものではない)」を尊ぶといういずれもの考え方は今回の個展のテーマに大きく影響していたように思います。

【文化人類学関連】
5.『こころの人類学』
煎本 孝 著 ちくま新書 / 2019年
(書影のイラストを描くのを忘れていました…)
恐らく自分が初めて読んだ文化人類学の本です。文化人類学というと難しそうで緊張して臨んだのだけれど、そんな不安もすぐに消し去ってくれるような著者である煎本氏の穏やかな語りと、著者が経験されてきた様々な民族の儀式の細かな描写にすっかり夢中で読みいっていました。
6.『「遊び」の文化人類学』
青柳 まちこ 著 講談社現代新書 / 1977年
様々な民族の儀式や遊びを例に取り上げた、それらの関係性と歴史の流れが面白かったです。昭和後半の著作ですが、冒頭の著者青柳氏の近年日本社会(とくに都市)に対する疲れ・不安のようなものになんだか身に覚えと納得がありました。
7.『ロマ民族の口述伝承』
金子 マーティン 著・編集 三一書房 / 2023年
かつてジプシーと蔑称されていた、ロマ民族に関する少しの歴史と彼らの伝承をまとめた一冊。
8.『北方民族歌の旅』
谷本 一之 著 北海道新聞社 / 2006年
主にイヌイットの方の暮らしやお祭りを紹介くださっている一冊。彼らにとって「歌」は個人の所有物であるという考え方がとてもおもしろかったです。

【その他】
9.『アイヌと神々の謡』
萱野 茂 著 ヤマケイ文庫 / 2020年
「カムイユカラ」の原文(口承を文字お起こししたもの)と口語訳の文章を並べて掲載されており、原文のリズム感も楽しみながら読めました。
10.『カムイ・ユーカラ』
山本 多助 著 平凡社 / 1993年
こちらは口語訳のみですが、たくさんのカムイユカラが収録されておりボリュームたっぷりで、大小様々な動物に思いを巡らせることができました。
11.『旅をする木』
星野 道夫 著 文藝春秋 / 1999年
「北方民族旅の歌」内のアラスカの民族の生活とつながる部分もあり楽しく、星野道夫氏の深くあたたかい語りに何度も自分の生活や心の動きを穏やかにさせてもらっていました。
12.『錬金術』
ガイ・オギルヴィー 著 / 藤岡 啓介 訳 創元社 / 2009年
錬金術(この書では昔のヨーロッパにおける錬金術)が生まれるまでの流れ・考え方がコンパクトに収まった一冊。もう何回か読み直さないとというくらい理解できていないけど、環境を見る視点が増えたような気がします。
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ここに挙げた意外で、もし「こんな本あるよ!」などおすすめありましたら教えていただけましたら嬉しいです☺️